赤いウサギの馬ブログ

デザイン事務所創業12年目のsekitobaが、フリーランスが10年続くヒントを日々更新中していきます。

バカ正直だから買ってくれた話

私のクライアントにバングラデシュの方がいます。

ご縁をいただいたのはご近所の士業事務所さんで

「顧問先が販促ツールを作りたがっている」とご紹介いただきました。

時々言語の壁を感じることもあるため、

お会いするときは必ずその士業さんも同席してくれています。ありがたい。

 

 

 

自分が売る必要のない商品

 

さて、そのバングラデシュの方からの案件で

弊社の取り扱い外のご要望がありました。

制限をつけている訳ではないのですが、

所謂旧式の製品をご指定で、取引先も扱っていないものでした。

 

用途を改めて確認し、

最新のものを提示しましたが、答えは「No」。

 

自分の説明が下手だったのかもしれませんが

代用品は受け付けられないようでした。

慣れたものがいいというお気持ちもわかるし尊重したいので、

引き続き旧式を探すことに。

 

そして、旧式が買える場所を見つけたんです!

やった!!

 

しかし、一般の方向けの購入方法に限定されており

専門知識のかけらも必要としない販売方式で

デザイナーの出番なんて全くないようでした。

 

やっと見つけてクライアントの喜ぶ顔が浮かびつつも迷います。

私から買うメリットはどう考えたってないのに

手数料乗せて売ることもできる……

黙って売る?正直に言う?

 

私はクライアントに正直に話すことにしました。

 

 

遅かれ早かれ気づくかも

 

 

どこで買えばわからない人にとって

売り場所を知っているだけで価値があるのだから

手数料を乗せて売ったらいいのにとも考えました。

ちなみに、他のクライアントも大事ですから

外国人というだけで特別扱いもしたくない。

なので私の手数料を低く設定するという選択肢は無しです。

 

「ご自身でも簡単に購入できるところがありました。

私に頼むと手数料をいただくことになるけどどうしますか?」

と伝えました。

 

同郷仲間で集まることもあるでしょうし

クライアントが無駄に高いものを買ったことに

遅かれ早かれ気づく可能性もゼロではない。

もし、

価格の差に気づいたら私のことをどう思うでしょうか。

何より、私を紹介してくれた

士業事務所さんとの顧問契約は維持されるのでしょうか。

 

しょうもない欲で他人を巻き込みたくありません。

目先のお金以上に、失う信頼関係のほうが辛い
と判断したのでバカ正直に話すことに決めました。

 

結果どうなったかというと

 

ご自身で買うという選択はされず、

弊社取り扱いの製品をご発注いただけました。

よ、よかったぁ……涙

 

 

数少ない頼れる日本人として

 

自分が海外へ行くときは、とにかく騙されたくなくて

必死で物の相場やルールを調べてしまうんですけど、

これって私だけじゃないですよね?

海外でなくとも、

頼れる人が少ないアウェイな環境での失敗って

たとえ小さなことでも大きなことに見えてしまいませんか。

 

とても悲しいことですが

バングラデシュ人というだけで偏見や差別があるのだと

私はクライアントを通じて知りました。

母国なら依頼先なんて無限にあるでしょうが、

日本では簡単じゃないのだそうです。

そんな状況で、信用していた人が信用できないとわかったら

どれだけの怒り、悲しみを抱えるでしょう。

 

私がされたくないから、しない。

ほんとそれだけのことなんですけどね。

きちんとご説明をして、料金を提示して

それでも私から買いたいと言っていただける方を

心から大切にしたいと思います。

 

そうそう、この士業さんとの出会いは

開業間もないころ、私が専門的なことを相談するため

家が近いのを理由に連絡したところから始まっています。

恐る恐る訪問した日は、まさか10年以上も仲良くさせてもらい

ご紹介もいただけるようになるとは想像もしませんでした。

 

長くお付き合いできる方をこれからも増やしたいな。

 

 

はい、今日はここまでです。

いかがだったでしょうか。

 

私の知識や経験や考えが

あなたのお役に立ちましたら幸いです。

 

本日もお付き合いくださり

ありがとうございます。