赤いウサギの馬ブログ

デザイン事務所創業12年目のsekitobaが、フリーランスが10年続くヒントを日々更新中していきます。

【書評】たった一通の手紙が、人生を変える

今日のブログでは、水野敬也さんの

「たった一通の手紙が、人生を変える」を紹介します。

コミュ力を磨きたい方には、ぜひおすすめしたい一冊です。

 

 

 

手紙を書かないひとも読む価値がある


今はペーパーレスの時代ですし、

LINEやチャットワークでササっと送って

履歴も管理しやすい便利なツールに慣れてしまい

今さら手紙なんて書く機会ないよと

そんな声が聞こえてきそうですが、私も手紙は書きません。

じゃあ、なぜこのたった一通の手紙が、人生を変える を

読もうと思ったかというと文章力を上げたいと思ったからでした。

 

私は日常的に原稿を書く機会がありますが、

それよりもメールやチャットでの情報伝達のときに

かなり時間がかかっていることに気づいたんですよね。

言いにくいことをどう表現するか、に頭を悩ませ

ネットでテンプレ探しに勤しんでいる自分が情けなくて。

この本はそんな私のような悩みを持つひとにぴったりです。

 

掲載内容は士業の方が使えそうなものだと

・仕事を依頼する手紙

・お金の援助を依頼する手紙

・断りの手紙

・謝罪の手紙

・感謝の手紙

上記が要チェックだと思います。

これまで自分の胸の内を言語化することに必死だったけど、

そんなことは実はどうでもよくて

受け手から見ると自分はどう映っているんだろう?と

想像力の必要性を気づかせてくれます。

 

本のなかでは、「本音」を書くべきだと繰り返されており

上辺の付き合いでは逆立ちしたって言葉が出てくる訳がないんです。

書きたくないけど書かなければいけないひとが

表面的なテクニックで書いた文章は「嘘」になる。

日頃からよく観察し、自らが感謝、感動していないと

相手の心を動かせるような文章は

そもそも書けるはずがないということですね。

 

 

テンプレとしては使えないけど、本質は掴める


本書には14種類もの手紙の書き方が掲載されていますが

「悪い例とその課題、お手本、良い例とその解説、まとめ」

という流れでそれぞれ構成されており、

自分の頭で考えるトレーニングにもなります。

お手本というのは、文豪と呼ばれる方々の手紙で

芥川龍之介夏目漱石などの素晴らしい文面が登場するのです。

こんな手紙受け取ったら、好印象しか残らない!というくらい

惚れ惚れしました。作家の想像力にただただ感動です。

 

もちろん、良い例として掲載されている手紙の文章は

水野先生によるものですがこれも秀逸でした。

どのシチュエーションに応じた文章も、

日々人と深く付き合っていないと思いもつかないものばかり。

 

残念ながら、前述したとおり本音が書かれていますので

テンプレ代わりに使えるような文面ではありません。

ただ、手紙の例は14種類ありますから、

・相手の心情はどういう状態か?

・自分が伝えるべき内容は?

NGワードは何か?

を事前に確認してから

自分の文章を書くと失敗はしないだろうと考えられます。

 

ちなみに手紙の礼儀作法も載っていますので、

テンプレオンパレードのマナー本よりも

本気で相手の心を打つ文章が書ける本書がおすすめです。

一家に一冊あれば重宝するんじゃないかと。

 

 

手紙で人生を変えられるひととは


手紙を書くって、

いきなりぶっつけ本番で勢いに任せて書くんじゃないんですよね。

本書を読んでいると、相当の時間を要する作業なのだとわかります。

失言と違って、発送する前なら、送信前なら、投稿前なら

どれだけ修正してもいいのはありがたいですよね。

タイトルの、手紙で人生を変える、という意味は

毎日手紙を書きまくろう!では決してないんです。

ここぞというときに相手の心を掴めるだけの熱量が

実際にあるひとだけが使える技なのかなと思います。

 

これを読んでも、すぐ誰かに手紙を書くチャンスって

多くのひとにはそうそう訪れないのではないでしょうか。

活用して欲しいのは、毎日のメールやチャットです。

何時間もかける必要はありませんが、

せっかくの学びを活かすトレーニングとして

ちょっとした気遣いを付け加えるようにチャレンジしてください。

 

文字ばかりを見ていると

画面の向こうに生身の人間がいることを

忘れてしまいそうになりませんか。

時を共有できることに感謝し、相手の幸せを願えていれば

自然と言葉が出てくるようになるでしょう。

 

対人関係の在り方の教科書とも呼べる良書。

ぜひご一読ください。

 

 

はい、今日はここまでです。

いかがだったでしょうか。

 

私の知識や経験や考えが

あなたのお役に立ちましたら幸いです。

 

本日もお付き合いくださり

ありがとうございます。